大阪市天満のカラオケパブごまちゃんで、常連客の宮本浩志容疑者に殺害された稲田真優子さんが事件前、「あなたのことが苦手です」と宮本容疑者に伝えていたことがわかりました。
宮本容疑者の犯行動機は、この言葉に逆上したことによる可能性が強まっていますが、今回の事件は5年前に起きたある事件とそっくりでした。
宮本浩志容疑者に殺意が芽生えた瞬間と、過去の事件との類似点を深堀します。
宮本浩志の犯行動機はド直球な言葉「あなたが苦手」
6月18日、カラオケパブごまちゃんオーナー稲田真優子さんの殺害容疑で宮本浩志容疑者が逮捕されてから1週間たった25日、宮本容疑者が稲田真優子さんから「あなたのことが苦手です」と伝えられていたことが判明しました。
稲田さんが事件前、殺人容疑で逮捕された常連客の会社員宮本浩志容疑者(56)=兵庫県西宮市=に対し「あなたのことが苦手です」と伝えていたことが24日、関係者への取材で分かった。店に来ないよう求めてもいたが、連日のように顔を出していたという。
引用:共同通信
稲田真優子さんは1日約1万円、月にして30万円近いお金を使ってくれる上客の宮本浩志容疑者にド直球な言葉で、店に来られては迷惑だという気持ちを伝えていました。
25歳とはいえ、それなりに経験豊富でオーナーでもある稲田真優子さんです、普通であれば多少の迷惑行為があっても客に向かってこのような発言は控えるはずです。このことからも稲田さんが宮本浩志容疑者の事を相当嫌いであったことがわかってきます。
しかし相手が悪かったーー。
宮本容疑者は「甘いものが苦手」と伝えても「甘いものが好きになってほしい」と言ってケーキなどの甘いものを差し入れる、自分を中心に物事を考える異常者。
さらに稲田さんが他の客の対応に忙しく自分が相手にされないと「もうええわ!」と怒りだし帰ってしまうような、プライドが高く子供じみた性格でした。
普通の人間であれば「あなたのことが苦手です」=「あなたのことが嫌いです」と理解し、落ち込むか、多少腹を立てても二度と店には近づかないようにすることでしょう。
しかし内角高めを150kmのストレートで攻められた宮本容疑者の腹の中は、ヘルメットを投げ捨てピッチャーマウンドに突進する助っ人外国人と同じように大爆発。
「これまでお前にいくら使ってきたと思ってるんだ!」
「にこにこ笑って、その気にさせるような言葉や態度は何だったんだ!」
自分の勘違いだったとは微塵も思わず、嘘をつかれた、ダマされたと逆恨みをする宮本容疑者は、その瞬間から稲田さんへの気持ちが憎しみに変わってしまい、稲田さんに対して殺意を抱き始めたのかもしれません。
宮本浩志の犯行とそっくりな事件では懲役14年
宮本浩志容疑者はLINEを30件も40件も立て続けに送り、ツイッターでも稲田さんの行動を監視し、店には毎晩オープンからラストまで居座る完全なストーカーでした。
「あなたのことが苦手です」と言われるほどの迷惑行為は、普通であれば警察に通報されるレベルだったことでしょう。それでも客だからと温情をかけ、そこまでの対応をしなかったことが今回の悲劇に繋がってしまいました。
宮本容疑者に襲われた稲田真優子さんの体には複数の傷があり恨みの強さが感じられますが、これらの状況は、2016年に起きた小金井ストーカー殺人未遂事件を模倣したような犯行でした。
小金井ストーカー殺人未遂事件は、当時大学生だったシンガーソングライターの冨田真由さんが、自称ファンの岩崎友宏にライブ会場で刺された事件です。
以下、宮本浩志の犯行との類似点
- ファンとして冨田真由さんのライブに通い詰める。(店の常連)
- SNSを利用しストーカー行為を繰り返す。(しつこいLINE)
- 「君を嫌いな奴はクズだよ」というツイッターアカウントを作り冨田真由さんに絡む。(「たけのこ」というアカウントで稲田さんのツイートに執拗に絡む)
- 一方的に送りつけたプレゼントを返却され逆上、殺害を計画。(「あなたが苦手」に逆上)
- 犯行直前のライブ会場で冨田真由さんと口論になる。(閉店後の店で口論(推測))
- 冨田真由さんの傷は34カ所。(数十か所の傷)
ストーカー行為から犯行の手口までそっくりな事件ですが、ひとつだけ違うのは冨田真由さんは一時意識不明の重傷を負ったものの、奇跡的に一命を取り留めました。
【岩崎友宏】
岩崎友宏は
「殺すつもりでやった」
と殺意を認める供述をしつつ、
「私は犯罪を犯したという自覚が乏しいんだと自覚しています」
「私は人として大切なことが欠落しているダメ人間です」
と自分の性格を分析。さらに、
「冨田さんのこと、毎日考えます」
「(犯行時の写真を見て)冨田さんの怪我はひどい。一生残る傷ですね」
と他人事のように言ったといい、自分が加害者である自覚がない発言を繰り返していたそうです。
そしてついには、
「(事件後Twitterを更新していない冨田さんに対して)ファンのこと考えてないですよね。意識を取り戻したのにファンに伝えることすらしなかった」
「冨田真由が全くの善人だったなら、あんなことにはならなかった」
自分本位な宮本浩志容疑者は現在も容疑を否認中とのこと。もしかしたら頭の中では岩崎友宏と同じことを考えているのかと思うと恐ろしすぎます。
2017年2月、殺人未遂の岩崎友宏には懲役14年6カ月の判決が下されています。まだ先の事ではありますが、極刑を望む声もある宮本浩志にはどのような判決が下されるのか。
>>稲田真優子ストーカー殺害「前の職場とのトラブル説」
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